普段S660に乗って年間2万キロくらいドライブする素人が、スイフトスポーツ(ZC33S)をレンタルしたのでレビュー・インプレを残しておきます。
スイフトスポーツを検討している方の参考なれば幸いですが、素人レビューなので話半分で読んでください…。
簡単にまとめると、スイフトスポーツ(ZC33S)はスポーティさがありつつもファミリーカーとしても使える実用性を兼ね備えていると感じました。
では詳しく見ていきましょう。
タップできる目次
スイフトスポーツ(ZC33S)のいいところ
意外にパワフル
ZC33Sのエンジンは1.4Lターボです。
ターボとはいえ1.4Lなのであまりパワーには期待していませんでした。
しかし実際に乗ってみると下からパワーが出ていて、加速は想像以上の激しさでした。
といっても、自分がまともに乗ったことがあってそれなりにパワーがあったのは2LのNA(86)なので、それと比べて、です。
86よりも断然加速が速いです。
普段からハイパワー車に乗り慣れている人からするとパワー不足らしいですが、公道でこれだけパワーがあれば文句ないのではと思うレベルです。
トルクの出方はフラットで、わりとどこの回転数からでもアクセルを踏みつけるとガッと加速してくれます。
1,500回転も回していれば、高速巡航中でもアクセルを踏めばフッと加速してくれます。
公道ではアクセルを積極的に踏みまくることができず、フラストレーションが溜まるレベルです。
発進時やヘアピンコーナーなどには雑にアクセルを踏むとタイヤが空転しますし、コーナーを抜けて一気にアクセルを踏むとトルクステアが顔を出します。
なのでサーキットに行く人はLSDを入れたりした方がいいかもしれません…。
ただ一人乗車の場合なので、4、5人乗っている状態だとそこまで過激なパワフルさは感じないかもしれません。
実用性が高い
スイフトスポーツはホットハッチではありますが、ドアは5枚あり、5人乗りです。
後部座席に3人は厳し目ですが、実用性は高いです。
成人男性でも頭上、足元に余裕があります。
乗り心地は不明です…。
トランクは狭めですが、数日の旅行ならば問題なくこなせるくらいの積載量かと思います。
なお乗り降りもしやすいので、スポーツカーのように乗り降りがめんどくさいということもありません。
スポーティなのに普段遣いや旅行などもこなせる実用性の高さは魅力的で、家族がいるけどスポーツ性能も気になる人にはオススメできると思います。
高速走行時に安定感がある
峠道などではロールや足の柔らかい感じが気になったのですが、高速道路ではピタッと路面に張り付くような安定感が出てきます。
欧州で高速道路を走行することをメインに考えているのかな?を感じました。
安定感があるので、気がついたら思った以上のスピードが出ていたりします。
エンジンパワーもあって加速がいいので、速度超過には注意です。
インテリアに高級感がある
200万円くらいの車で、しかもスポーツに振っている車なので、どうせ内装は安っぽいだろうと思われるかもしれませんが、意外に高級感があります。
高級感は言い過ぎかもしれませんが、安っぽさが少ないように思います。
スズキの車は内装が貧弱というイメージがありましたが、これならば満足度は高いです。
排気音がなかなかいい
排気音はあまり聞こえませんが、たまに聞こえてくる音質はいい感じです。
純正でこれくらいの音質なのは嬉しいです。
爆音が好きというわけでなければ純正のままでよさそうです。
シートに多少のホールド性がある
シートはガチガチのスポーツ用というわけではなく、乗り降りのしやすさとサポートのバランスがうまく設計されています。
太ももや脇腹のあたりにはサポートがあり身体を支えてくれます。
とはいえ様々な体型の人を想定しているためか、細身の自分にはちょっと頼りなく感じました。
なお、肩用のサポートはありません。
ボンネット裏まで塗装されている
細かなポイントですが、ボンネット裏まで塗装されています。
スイフトスポーツの場合、運転席からボンネット裏が見えてしまうのですが、ちゃんと塗装してあるので安っぽさを感じません。
スズキはコスト意識が高いイメージがあったので、ボンネット裏まで塗装されているのは意外でした。
スイフトスポーツ(ZC33S)の気になるところ
燃費があまりよくない
今回は400kmくらい走りました。
夏場なのでエアコンON、そして意図的にアクセルを踏んでいたりもしましたが、燃費は12.8km/lとあまりよくありませんでした。
スポーツカーとして考えたら好燃費ですが、1.4Lで下からトルクが出ているエンジンならもう少し燃費がいいのかなぁと期待してしまいます。
2Lの86でも11km/lくらいは走っていたので…。
とはいえ、抑え気味に走れば15km/lも狙えそうです。
カックンブレーキ
純正のブレーキはかなり初期制動が強いタイプで、いわゆるカックンブレーキになりやすいです。
慣れれば多少コントロールはできるようになりますが、初期制動が弱めのコントロール性の高いブレーキパッドに交換したくなります。
ただ効き自体は悪くないですし、フェードしそうな雰囲気もないので慣れればそのままでもいけるかもしれません。
足回りがやわからめ?
これがしなやかなな足回りということなのかもしれませんが、足回りがやわらかめに感じられてコーナーで少し不安を感じました。
大げさにいうとフワッという感じです。
特にリアの違和感が強いです。
大きくロールするわけではないのですが、安心感がないというか、もう少し硬ければ気持ちよさそうなのにと感じます。
逆に乗り心地は悪くないので、ファミリカーとして利用することを考えるとうまくバランスが取られているような。
重心が高め
コーナーのロール感にもつながっているものと思いますが、重心が高いのを感じます。
天井が高めなので、重心も高くなってしまっているのだと思います。
車内のスペースを広くし、実用性とのバランスをとった結果だと思います。
普通に走っている分には問題ありませんが、峠道のコーナーなどではどうしても気になってきます。
ハンドルが少し軽い
見た目に反してハンドル操作が少し軽いです。
もう少しどっしりしている方が好みです。
しかしここも実用性とのバランスだと思っていて、ハンドルを軽くすることで、3ナンバーとなっているこの車を取り回しやすくしているので悪いとも言い切れないところです。
「軽すぎる!」ということではないので、本当にうまくバランスを取っているのだなと感じます。
ヒール&トゥしにくいペダル配置
スイフトスポーツのブレーキペダルとアクセルペダルは高さが異なります。
ブレーキペダルの方が高く、アクセルペダルの方が結構低いです。
なのでブレーキペダルを踏みながらアクセルペダルを煽るのはやりにくいです。
ブレーキが初期制動強めなのもあり、余計にやりづらいです。
とはいえ慣れてきたら多少はできるようになったので、単に慣れの問題かもしれません。
もしくはペダルカバーをアクセルペダルにつければ段差を減らせるのでいいかもしれません。
エアコンの温度が安定しない
夏場なのでエアコンをつけっぱなしにしていましたが、エンジンの回転数が上がると露骨にエアコンの温度が上がってしまいました。
なのでこまめにエアコンの温度調整が必要で、地味に面倒くさかったです。
ステアリングのプラスチック部分が痛い
スイフトスポーツのステアリングはデザイン重視のためか、ステアリングの下側がプラスチックで覆われています。
高速道路を走行している時などにここに手を添えたままにしていると段々と痛くなります。
普通に革素材にしておけばいいのになぜ…?
もしかしたらコストカットのためかもしれません…。
アイポイントが高い
スイフトスポーツに乗り込むとアイポイントが高く感じます。
普段S660に乗っているからというのもありますが、もう少しアイポイントを下げてスポーティさを演出してほしいなぁと思います。
もちろん、アイポイントが高い方が見通しがよくて安全性は高いのですが…。
これはフルバケットシート+ローポジションシートレールを入れれば多少改善しそうです。
ハザードボタンが遠い
なぜかハザードボタンが遠いです。
ハザードボタンはとっさに押したいシーンが多いと思いますが、よいしょと身体を前に出さないと押せません。
もっと手前に配置してほしいところです。
シフトノブが遠い
シフトノブも遠いです。
当たり前ですが、特に1速が遠いです。
これは自分が胴長なのもあるとは思いますが…。
シートをフルバケにしてローポジションシートレールを入れれば解消しそうです。
ピラーが邪魔
運転席から見ると右側のピラーが太くて邪魔です。
安全性向上のために仕方ないのだとは思いますが、気をつけないと死角になります。
バックカメラの画質が悪い
ビックリしたのがバックカメラの画質の悪さです。
今どきの車なのにこんなに画質が悪いのかとビックリしました。
でも人や車がいるかどうかを確認できればいいので、これはこれでいいのかもしれません。
遮音材が少なめ?
普段、「遮音?なにそれ?」なS660に乗っているのでよくわかりませんが、遮音材は少なめかもしれません。
雨に降られましたが雨音が大きく聞こえました。
でもこれのおかげで安く、軽くなっているのであれば全然アリです。
まとめ:スイフトスポーツ(ZC33S)はファミリー用途にも対応できる実用的なスポーティカー
スイフトスポーツ(ZC33S)は「ファミリーカーを買わなければならないけど、スポーツ性もほしい」という人にオススメできる車だと感じました。
1.4Lでもターボでそれなりにパワフルで、フル乗車でもそれなりに加速できると感じます。
全体的にスポーツ性に振り過ぎておらず、実用性が重視されているのでファミリーカーとして使っても同乗者からはあまりクレームは出ないと思います。
乗り心地も許容範囲かなと思います。
これで約200万円は安いなと感じます。
ただ、独りでしか乗らず、予算にも余裕があるのであれば、あえてこのスイフトスポーツを選ぶ必要はないかもしれません。
もちろんデザインが好みなどあれば選んでOKだと思います。
自分がスイフトスポーツに乗るとしたら、ブレーキパッドをコントロール性の高いものへ、ダウンサスくらいは入れ、フルバケットシート+ローポジションシートレールを入れるかもしれません。
このくらいすると峠道ドライブがかなり高くなりそうです。