S660でサーキット走行をする場合は、メンテナンスモードという電子制御が切れるモードにする方が多いようです。
S660は電子制御が多いと聞いているので、電子制御がないピュアな走りがどんなものか気になりました。
サーキットには行かず、普通のドライブしかしないオーナーでもメンテナンスモードにすることによりS660をより楽しめるようになるのか?を検証してみました。
結論としては、普通のドライブではメンテナンスモードにしてもほぼ違いを感じられませんでした。
本記事ではメンテナンスモードにしてみた感想や、設定方法などを紹介しますので、メンテナンスモードが気になっている方の参考になるかと思います。
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メンテナンスモードの効果
メンテナンスモードにした場合、電子制御は以下となります。
- VSA(横滑り防止装置)が無効化される
- TCS(トラクションコントロール)が無効化される
- AHA(アジャイルハンドリングアシスト)が無効化される
- ABSは残る
参考までに、VSAボタン長押しキャンセルの場合は下記のとおりです。
- VSAが一部軽減される
- TCSは無効化される
- AHAは残る
- ABSは残る
メンテナンスモードは姿勢制御系が無効化されるわけです。
メンテナンスモードを有効する方法
サイドブレーキとフットブレーキを踏んだり離したりしながら、VSAオフスイッチを操作することになります。
詳しくは下記のとおりです。
最初は慣れないので制限時間の30秒以内にできないと思いますが、一通りやってみて要領を理解できたらかんたんにできるようになりますよ。
手順
- エンジンを始動します。
(クラッチペダルは離してよい。ブレーキペダルは踏んだままでよい) - 30秒以内に以下③~⑧を実施します。
- サイドブレーキを解除して、ブレーキペダルを踏んだまま、VSA OFF スイッチを長押しして、インパネにVSA OFF 警告灯が表示されるのを確認します。
- VSA OFF スイッチを押して、VSA OFF 警告灯が消えることを確認します。
- サイドブレーキをかけて、ブレーキペダルを離します。
VSA OFF スイッチを長押しして、インパネにVSA OFF 警告灯が表示されるのを確認します。 - VSA OFF スイッチを押して、VSA OFF 警告灯が消えることを確認します。
- サイドブレーキをかけたまま、ブレーキペダルを踏みます。
VSA OFF スイッチを長押しして、インパネにVSA OFF 警告灯が表示されるのを確認します。 - VSA OFF スイッチを押して、VSA OFF 警告灯が点滅・VSA警告灯が点灯することを確認します。
設定手順は文章だけだとわかりづらいので、動画も作っておきました。↓
ドライブレベルでメンテナンスモードの効果は感じられなかった
峠道をドライブするレベルであれば、通常モードとの違いはほとんど感じませんでした。
サーキットのような限界走行時になってくると違いがわかるのだと思います。
不安定感がある
メンテナンスモードにして明らかにわかったのは、四輪がバラバラと動いている感じがしたことです。
これにより不安定感を感じました。
「メンテナンスモードにするとすぐにスピンする」といった噂も聞いていましたが、そこまでではありません。
不安定感はあるものの、普通にドライブしている分には特に安定性に問題はありません。
あくまでもフィーリングの問題です。
VSAオフと同様にたまにリアが空転する
VSAオフと同じくTCSが無効化されているため、タイトなヘアピンなどではリアタイヤが空転する時があります。
かと言って滑るほどではありません。
ノーマルモードと違いを感じるのはこのあたりです。
VSAオフとはほぼ同じフィーリングです。
モータージャーナリストのインプレ
HONDA STYLE 2021年8月号 VOL.102を読んでいたら、モータージャーナリストの方のインプレも記載されていたので引用します。
(中略)テールが流れた際はコントロールに難しさを感じられる場面があった。
フロントのロールスピードが速く、ペタンと倒れ込むように動き、リアのイン側の接地が一気に抜けてしまう(中略)
とのことです。
やはりリアがスライドするレベルの限界走行をすると違いがわかるようです。
まとめ:メンテナンスモードはドライブするのには不要
ということで、メンテナンスモードにしても運転の楽しさは変わらないので、ドライブする時にあえてメンテナンスモードにする必要はないように思いました。
とはいえ、メンテナンスモードを試してみても普通にドライブする分にはスピンする前兆があるわけでもないので、気になっているのならば試してみるのはありだと思います。
もちろん、安全装置を無効化する設定なので、試す際は自己責任でお願いします。
個人的には、サーキット走行やジムカーナ走行をする機会があれば試してみたいなと思いました。