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【レビュー】ロードスター990Sは運転とオープンドライブを快適に楽しめる車

NDロードスター 990SのMT車をレンタルしました。
990Sはブレンボが入っているのでスポーティーなグレードかと思っていましたが、乗ってみるとそうでもなかったです。
どちらかというと快適性重視でしょうか。
それでも、もちろん走りの楽しさはちゃんとあるので、運転とオープンドライブを快適に楽しめる車でした。

この記事では990Sに乗ってみた感想をまとめてみます。
いつものごとく、MT車の運転歴10年以上とはいえ素人のレビューなのでご了承を…。

990Sのいいところ

慣れてくると人馬一体を感じられる

乗り始めて最初のうちは自分の感覚と車の挙動が一致せずに気持ち悪かったです。
でも半日も乗っていると車のクセがわかってきて気持ちよく乗れるようになりました
自分が思ったように曲がるので気持ちいです。
これが人馬一体というやつですかね。

なので試乗で違和感があった人は長時間レンタルをしてみるのがオススメです。
短時間の試乗で評価を下してしまうのはもったいないと思います。

吹けがよく加速感が気持ちいい

ロードスターは1.5リッターなわりに132馬力しかないのでパワー不足なイメージがあります。
でもトルクはちゃんと15キロありますし、車重は約1トンなので結構しっかりと加速します。
しかもギアを適切に選べば2,000回転くらいからでもグッと加速します。
加速は一気に吹け上がる感じでエキゾーストもそれなりにするので気持ちが良いです。
1トンもあったら重たいかな?と思ってましたが、発進時もさほど重さを感じず、走り出せば軽快感があります。
これならS660からの乗り換えでも不満はないかも…。
どうやらフライホイールは軽量なものが入っているようで、そのおかげもありそうです。
数年前にレンタルした時はもっさり感がありましたが、今回はそのような感覚はありませんでした。
マイナーチェンジでパワーアップしたりしたのが効いているのかもですね。

ただ絶対的なスピードはそんなでもないです。
ひとりで走っている分には速く感じます。
よく「思っていたよりもスピードが出ていた」という車がありますが、990Sはその逆です。
安全運転しつつスピード感が楽しめるのでいいですね。

足回りがお上品

990SはNR-AやRSなどとは異なり、足回りはビルシュタインではありません。
なので固い感じはあまりあまりないですし、路面のデコボコもうまくいなしてくれます。
低速~高速でも不満はありませんでした。
スポーツカーにしては柔らかめという感じがします。
これなら同乗者からも不満は出ないかも?

柔らかいのでロールはそれなりに感じます。
ただ慣れてくるとロールも加味して車を制御できるようになるので、そんなにネガティブな要素ではないです。

車幅を把握しやすい

NDロードスターはボンネットの左右が盛り上がっていて、それを運転席から確認できるので車幅を把握しやすいです。
全幅は1,735mmあるので車幅を気にする方もいらっしゃるかもしれませんが、数値の割にコンパクトに感じます。

なおレンタカーでは後付のカーナビのせいで左側の盛り上がりが見づらかったです…。

ブレンボのブレーキにしっかり感がある

NDロードスター 990Sのフロントブレーキはブレンボです。
ブレンボは初体験でした。
てっきりガッツリ効くのかと思っていましたが、強く踏んでもあまりガッツリ効く感じではありませんでした。
コントロール性も普通のスポーツパッドくらいで、特段いいという感じでもありません。
ただ剛性感はありました。
NDロードスター NR-Aと乗り比べてみましたが、マツダの大径ブレーキよりもブレンボのほうがしっかりとした感じがあります。
高性能なブレーキはコンクリートを踏んでいる感じがするというのを聞いたことがありますが、それに近い感覚でした。
なおフェードするような予感はまったくなく、余裕を感じられました。

ブレーキのフィーリングに違和感がなく、フェードの雰囲気もなかったのでパッド交換せずに乗ってもよさそうです。

屋根(ルーフ)の開閉が簡単

NDロードスターの屋根(ルーフ)の開閉はかなり簡単です。
ロックを外してサッと後ろに動かして、ポンと叩いてロックします。
開ける時はロックを外してサッと前に動かしてロックをします。
どちらも慣れれば数秒です。
なので天気が怪しいときでも気軽に開けられるのが嬉しいポイントです。

S660だと開閉が大変なので雨が降りそうだと屋根を開けられませんが、NDロードスターならば「とりあえず開けておこう」という気になります。

内装に高級感がある

ステアリングやシフトノブはすべすべした本革で高級感があります。
本革はしっとり系ではなく、すべすべ系なのでちょっと違和感があります。
傷が付きやすいのか、6,000kmの個体ですがすでにステアリングに大きなひっかき傷が入っていました。

内装には外装の色に合わせたパネルが配置されていますが、プラスチッキーなので高級感はありません。
洒落てますけどね。
ここは普通にアルカンターラとかのほうがいいような。

排気音が気持ちいい

ルーフ(屋根)を閉めた状態では排気音(エキゾーストノート)はあまり聞こえませんが、オープンにすると結構聞こえます。
そして結構いい音です。
音量は大したことないですけどね…。
十分にいい感じなので、自分ならばマフラー交換しなくてもいいかなぁと思いました。

収納スペースはそれなりにある

NDロードスターは意外に車内の収納スペースがあります。
小物入れは2箇所ありました。
ETCは助手席後ろに埋め込まれていて、スペースが有効活用されています。

もちろんトランクもあります。
屋根を開けていてもトランクのスペースは変わりません。
このくらいのスペースがあれば二人でそれなりの日数の旅行に出かけても対応できそうです。

そこそこ踏んでも13km/lの燃費

山道の上りなども走りましたが、燃費は13.1km/lでした。
スポーツカーにしては悪くないと思います。
普通に走れば15、6km/lくらいは走るようです。
ただしハイオクですので、1日走り回るドライブに出かけると4,000円以上かかります。

990Sの気になるところ

ペダル配置が狭い

アクセル・ブレーキ・クラッチペダルは狭いスペースに収まっています。
クラッチを踏もうとすると左側にあるフットレストに足が当たる時がありました。
ヒール・アンド・トゥする時はアクセルペダル右側の内装を踏んでしまうことも…。
でも1日も運転すればペダル以外の部分を踏んでしまうようなミスはなくなります。
とはいえ窮屈なものは窮屈です。

電子制御に違和感がある

路面が荒れているところでは露骨に挙動が乱れる感じがします。
特に小枝を踏んだりするとトラクションコントロールが変な効き方をしている感じがします。
雨上がりの峠道は路面はウェット、小枝が散乱という状況になっていることが多々ありますが、そういうところを走ると急に姿勢が乱れたりするのでちょっと怖いです。
自分で修正できるレベルではありますがヒヤッとします。
S660で走っているとなんともないところで挙動が乱れるので、この990Sの制御の問題だと思います。

コーナリング中は電子制御が介入しているのを感じられる時があります。
そしてその制御がたまに不自然な時がありました。
NDロードスターのコーナリング用電子制御「KPC」は初採用なのでまだ発展途上なのかも?
でも慣れの問題なのかもしれません。

アクセルペダルの調整範囲が狭い

アクセルペダルのストロークがかなり狭く感じます。
この狭い範囲でアクセルをコントロールするので結構シビアな気がします。
ただ電子スロットルなので、そんなに神経質にならなくても大丈夫です。

まぁ他の車(S660や86)なんてアクセルを半分踏んだだけで全開になったりするものもあるので、実際にはこれくらいのストロークがあれば十分なのかもしれません。

シートが自分にはあまり合わなかった

シートは腰の部分に圧迫感があります。
長時間乗っていると腰を痛めそうな予感があります。

着座位置も高いです。
目線が高くなるので運転はしやすくなりますが、スポーツカーなのでもう少し下げてほしいところです。
自分ならばRECAROのフルバケとローポジションシートレールを入れるかなという感じです。

ペダルが奥まった位置にあるので、ペダルにシートを合わせるとシートが前の方になってフロントウィンドウやステアリングが近くなり、窮屈な印象があります。
またこの状態だと乗り降りも若干し辛いです。
乗り降りする時はフルバケのように毎回シートを一番うしろに移動させるのがいいかもしれません。

オープンにしても開放感が少ない

シートポジションを合わせるとシートが結構前の方に行きます。
そうなるとフロントウィンドウが近づきます。
なのでオープンにしてもフロントウィンドウの圧迫感があり、開放感が少ないです。

NDロードスターはS660(タルガトップ)とは異なり、後ろはちゃんと開きますが、運転している分には特に後ろの開放感は感じ取れません。
S660とは大差ないです。

一般道では良くも悪くも普通の車

足回りが固くなく、オープンカーのわりには遮音性もそれなりにあるので、一般道における快適性は高いです。
排気音もほとんど聞こえません。
ただ逆にいえば刺激が少ないです。
これは乗り手がどう捉えるかですね。
ドライブに出かけてもほとんどは一般道の走行になるでしょうから、一般道の走行が快適で刺激が少ないのがいいのかどうか…?

ブルーの幌はカッコいいけど汚れが目立つ

まだ6,000kmの個体ですが、幌に白い跡がついていました。
ブルーの幌なので結構目立ちます。
この走行距離でこの状態はちょっと気になります…。

左膝が内装に当たって痛い

運転席がタイトなのもあり、左膝が内装に当たって痛いです。
でもクッションシートを貼り付けるなどすれば対応できそうです。

シートにシワが寄っていた

6,000kmの個体ですが、運転席のシートにはシワがついていました。
ちょっと気になります。

ステアリングがちょっと細い

個人的にはステアリングが細く感じられました。
もうちょっと太いほうがいいような。
好みの問題ですかねぇ。

まとめ:990Sは快適性がありつつ楽しいロードスター

ということで990Sはあまりスポーツ方向に振っているわけではなく、快適性のほうが重視されているように感じられました。
でも乗り慣れれば十分に走りも楽しめますよ。
もっと刺激がほしければRSやNR-Aといったグレードがいいかもしれません。

ではSと比べるとどうなのか?
RAYSホイールやブレンボが気に入るようであれば990Sがよさそうです。
そこにこだわらなければSグレードでもいいかもしれません。
Sグレードならば中古でも安めの値段で出回っているので、中古車も狙いやすいです。
ただ990Sは今後プレミアが付いて売却時に有利になる可能性もありますね。

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